シャトー・タルボの畑は、ジロンド河から離れた内陸のサン・ジュリアン・ペイシュヴェルの奥、ガロンヌ川のほとりのなだらかなサン・ジュリアンの丘の上、グリュオー・ラローズのすぐ北に位置しています。畑は広大で作付面積メドック第一位のシャトー・ラグランジュ(113ヘクタール)に次ぐ第二位108ヘクタール単一畑を所有しています。
シャトー・タルボのワインは、世界的なワイン評論家ロバート・パーカー氏が『ボルドー第4版』において「あらゆる面から見て大変魅力的なワイン」、「このシャトーはコルディエ家の管理のもと、一貫して上質な、たくましい、それでいてフルーティーな、フルボディのワインを生産しており、メドックのワインの格付けが新しくなることがあったら当然第三級に昇格していいだろう。」と評されるほどの実力を持っています。現在も、より柔らかい、よりエレガントなスタイルへ移行しつつもヴィンテージに左右されない安定感とひかえめな価格が魅力的であり、長年のクラシックなボルドースタイルが好みのボルドーファンからの高い支持を得続けています。
凝縮しつつもなめらかなスタイルはまさにクラシックな正統派のボルドーワインの優雅さと偉大さの典型であり、華やかなベリーとハーブの香りが特徴的で、熟した果実の味わいとしっかりとした骨格を備えており、全ての要素が美しくまとまり、華やかで巧妙なボルドースタイルを作り上げています。
シャトー・タルボの名前は英語表記の「トール・ボット」に由来しています。
このトール・ボットとはフランスとイギリスの100年戦争の時の、イギリス軍の将軍の名前「シュースベリー伯ジョン・トールボット」です。フランスのワインにイギリス人の名前もおかしい感じもしますが、この将軍の家系はノルマンディーのコー地方に起源をもつノルマン人だったらしいので、完全にフランスと無関係とは言えません。また、昔のボルドー地方を含むアキテーヌ地方は300年に渡り長きイングランド領であり、サンジュリアン村のシャトー・タルボのある一帯は「トールボット(タルボ)」将軍が治めていたと言われています。
当時のワイン貿易を考えると、ボルドー市民は大のお得意様のイギリスびいきであったことも考えられます。1451年にフランスがボルドーを占領した際にも、ボルドー市民は自分たちをイングランド人と思っていたほどで、イングランド王ヘンリー六世にボルドー地方奪還要請がなされ、1452年10月17日「トールボット(タルボ)」将軍が兵隊とともにボルドー付近に上陸した際には、ボルドー市民はフランスの兵を追い出し、イングランドの兵の為に門を開けたとも言われています。
この「トールボット(タルボ)」将軍は1428年から1429年にかけて、フランスとイギリスで戦われたジャンヌ・ダルクも登場するオルレアン攻囲戦において功績を立て、当時のイングランド王ヘンリー六世はフランス王として、「トールボット(タルボ)」将軍をフランス大元帥に任命しますが、1453年7月17日カスティヨンの戦いに破れ戦死してしまいます。
今でもこのシャンジュリアン一帯では戦いに破れた「トールボット(タルボ)」将軍が畑のどこかに財宝を埋めたという伝説が残っていると言われています。
このシャトー・タルボでは、少量ではありますが新鮮で華やかな高品質の辛口白ワイン「シャトー・タルボ・カイユ・ブラン」もつくられてます。
Information | |
一貫して、良質で逞しいものの、果実味が豊かで、フルボディの、もしメドックのワインの新しい格付けが行われるのであれば、その地位が上昇するにふさわしいワインを造った。タルボでは、ささやかな量の、美味しくて辛口の白ワインがつくられている。カイユー・ブラン・デュ・シャトー・タルボと呼ばれるこのワインは、新鮮で華やかな香りのする白(メドックで最良のワインのひとつ)である。『ロバート・パーカー氏のボルドー 第3版』より | |
生産地 | フランス ボルドー地方 メドック地区 サン・ジュリアン |
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商品名 | シャトー・タルボ |
作り手 | Chateau Talbot |
格付・認証 | A.O.C.サン・ジュリアン |
生産年 | 2004年 |
色 | 赤 |
内容量 | 750ml |
本数 | 1本 |
味わい | フルボディ |
ブドウ品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン 66%、メルロー 26%、プティ・ヴェルド 5%、カベルネ・フラン 3% |
ガイドブック | パーカー・ポイント 88点 |
飲み頃 | 今~2020年 |
飲み頃温度 | 16℃~18℃ |
推奨保存環境 | 温度=10℃~16℃、湿度=70%~75% |
備考 | においが強いものと一緒にせず、振動は避けるように保管して下さい。 |