
80年以上続く家族経営、先駆けシャトー
キルヴァンの畑はマルゴーの素晴らしいカントナック台地の絶好の地に位置しています。
シャトー・キルヴァンの歴史は古く、1147年までさかのぼることができます。1710年にはアイリッシュ系のマーク・キルヴァン氏が所有者となります。現在のシャトー・キルヴァンの名もマーク・キルヴァン氏に由来しているため、ケルト語の読みとなっています。後のアメリカ大統領であり、ワイン愛好家であるトーマス・ジェファーソンの旅行記にも登場していることや、1855年の格付けに於いてはメドック格付け 第三級のトップに記載されていることから、当時の評価は非常に高かったことがうかがえます。1789年のフランス革命時には畑が国に没収されてしまいますが、今も所有していることからのちに買い戻したと考えられています。いきさつは不明ですが、その後シャトーはボルドー市に寄付されます。寄付を受けたボルドー市は、当時一番のネゴシアンであった、シュレデール・エ・シラー社に販売・管理の一切を任せますが、このことによりキルヴァンの評判は著しく落としてしまう事になります。その後ボルドー市はシュレデール・エ・シラー社になんとか買い取らせると、シュレデール・エ・シラー社は必死になって名誉回復の為に資本投下をはじめ、品質は回復の兆しを見せ、1994年には保険グループであるGNAが資本参加します。
現在のオーナーは、シレール家の三代目ジャン・アンリであり、シレールはドイツ語読みでシラーなので、シラーと呼ばれる事もあるようです。80年以上家族経営が続いているボルドーでは珍しいシャトーでもあります。シャトー元詰めを1967年から行っている、先駆者のシャトーの一つと言えるでしょう。


メドック格付け 第三級のトップにランクされる逸品
近年安定してクオリティを保っているキルヴァンですが、以前はそこまで評価が高くありませんでした。えてして軽くライトボディで、コンパクトで、酸味のきいた精彩に欠けるボルドーワインであり、格付けにふさわしい立場を維持しているとは言えないと言われていました。
しかし1991年に醸造コンサルタントのミシェル・ローラン氏を迎え、その後ポムロールのレグリーズ・クリネの醸造技術者を招へいしてから、ワインのスタイルは急速に、品質は劇的に良くなります。1990年以降、それも、しばしば難しいヴィンテージのワインは、色が濃くなり、肉づき、ボディと力強さが増しているようで、印象的である。価格は、向上した品質ほどに上昇していないので、ボルドーの多くの格付けシャトーがつけている途方もない価格を嘆いている方は、キルヴァンを見直した方がよいと言われています。


ボルドーファンにおすすめのシャトー
最近は増えてきましたが、それでも日本にはなかなか輸入されないため、知名度はそれほど高くありません。
キルヴァンは力強さとフィネス、バランスに優れ、価格は他のメドックのシャトーに比べると安いため、ボルドーファンにおすすめのシャトーです。



Information | |
濃い紫色をしており、スモーキーな甘草、カシス、ミネラルの香りが広がります。フルボディで力強く、エレガントで複雑、豊かさの調和が取れています。この上ない凝縮感とふくらみのあるボディ、伸びのある酸が、さらに熟成できるポテンシャルを感じさせます。男性的な、力強く、大量の湿った土と絡み合った、ジャムにした様な黒系果実や、甘草、燻煙、香ばしい樽香がある。縁いっぱいまで濃い紫色をしており、ミディアムボディ。造りはがっしりしており、筋肉や深みがたっぷり見られる。原型的な、フィネス重視スタイルのマルゴーではないが、まだまだどうなるかわからない。 | |
生産地 | フランス ボルドー地方 メドック地区 マルゴー |
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商品名 | シャトー・キルヴァン |
作り手 | Chateau Kirwan |
格付・認証 | A.C. マルゴー MARGAUX |
生産年 | 2017年 |
色 | 赤 |
内容量 | 750ml |
本数 | 1本 |
味わい | フルボディ |
ブドウ品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン 46%、メルロー 20%、カベルネ・フラン 26%、プティ・ヴェルド 8% |
ガイドブック | パーカー・ポイント 90点 |
飲み頃 | 今~2030年頃 |
飲み頃温度 | 16℃~18℃ |
推奨保存環境 | 温度=10℃~16℃、湿度=70%~75% |
備考 | においが強いものと一緒にせず、振動は避けるように保管して下さい。 |