ジロンドの風に守られ
自然農法を貫くブライのヴィニュロン
世界遺産と伝説の地 ブライ
ジロンド河右岸なだらかな丘陵が広がるブライの地。世界遺産にも登録されている「ヴォーヴァンの防衛施設群」(ルイ14世時の軍人ヴォーヴァンが建築した160余りの要塞うち代表的な12が登録)の一つ、「ブライ要塞」があることでも知られている土地です。ここは対岸キュサックにある要塞を対をなしており、ジロンドを遡上する外敵を防ぐ要所でした。ブライ町の中心部から北西へ数キロの場所にサン・スーラン・ド・キュルサックのコミューンがあり、ここは、フランス最古の叙事詩「ローランの歌」の悲劇の登場人物ローラン・ド・ロンスヴォーがシャルルマーニュ大帝のスペイン遠征の時に立ち寄りジロンド河に槍を投げ入れたという伝説がある場所です。この由緒ある「ローラン」の名を冠し、ブライの中でも抜群の条件が揃うのがシャトー・ローラン・ラ・ギャルドであり、その条件を最大限に活かしているのがこの地を代表するヴィニュロン、ブルーノ・マルタン氏です。」
風の丘にある一枚畑
ブライの地は大西洋からジロンド河を遡上する風が通年吹き込む場所で、この風がカビ系の病害に対して抑制効果を発揮しており、自然農法へ有効な地の利を得ています。敷地内に3基の中世時代に建てられた風車があることからも分かるとおりシャトー・ローラン・ラ・ギャルドは、傾斜と日照の豊富な緩やかな丘陵が続くブライの土地の中でも高所に位置します。粘土質の多いブライの中でもこのあたりは粒子の大きな砂質が多くみられ、排水性にも恵まれた土壌が広がっています。南向き斜面の約29ヘクタールの一枚畑は現在、自然農法を実施しており、ブドウ畑には草花・ハーブなどが生い茂り、微生物的循環環境が整えられています。
ブルーノ・マルタン氏は子供のころからブライの自然環境豊かなこの土地で自然に触れて育ち、父の畑仕事を手伝いながらブドウ栽培・ワイン醸造を身に付けて行きます。「馬からトラクターへと畑仕事の動力は変わったがやっていることは変わっていない」との言葉通り、伝統を重視した農法を引き継ぎ、かつ自分の哲学を着実に実践し実現させています。1990年より父からシャトーを引き継ぐと試行錯誤しながら彼の持つブドウ造りに対する思いを実行に移していきます。
農薬や除草剤を極力使わない農法、本格的ビオデナミ
元々ブライの自然に触れて育ったブルーノ・マルタンさんは当然のように農薬や除草剤を極力使わない農法を選択していき、1998年には今の自然農法のスタイルを独学で確立しています。2007年に右岸を代表する自然派シャトー、アラン・ムエックス氏のシャトー・フォンロックを研修で訪れた時、そのブドウ栽培の方法に感銘を受けます。
その後2008年から本格的にビオデナミを導入。ビオロジックの若き権威アンヌ・カルデローニ女史監修のもと4年に渡り畑の改良・ビオデナミ認証の取得に取り組んできました。2012年に認定も受け、現在も発育状況に応じてビオデナミを実施。マリア・トゥーン女史提唱の調合剤500番・501番(牛の角と牛糞や水晶を混ぜたもの)を適宜使用し土地の改良を促進させています。風車に近い標高の高所にある区画は砂・砂利が多いので水はけがよく、カベルネ・ソーヴィニョンが中心に植えられており、南側の区画は石灰質、粘土質が多い土壌にかわり、メルローが多く植えられています。
ロジカルで計画的なブドウ・ワイン造り
シャトーを引き継ぐ前は会計士を していたこともありロジカルで計画的なブドウ・ワイン造りを行っているブルーノ・マルタン氏。彼のワインもまた整然とした印象で造りの美しさが感じられます。畑の周囲には、ハーブなどの草花やシブレットなどの野菜が植えられています。牧歌的な雰囲気の中で造られる自然体のワイン、それがブルーノ・マルタン氏の一番の特徴でしょう。
Information | |
ジロンドの風に守られ自然農法を貫くブライのヴィニュロン、ブルーノ・マルタン氏のワイン造りの根底とブライの風土が表れているスタンダード・キュヴェ | |
生産地 | フランス ボルドー地方 ブライ・コート・ド・ボルドー サン・スラン・ド・キュルサック |
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商品名 | シャトー・ローラン・ラ・ギャルド トラディション |
作り手 | シャトー・ローラン・ラ・ギャルド |
格付・認証 | ブライ・コート・ド・ボルドーAC |
生産年 | 2012年 |
色 | 赤 |
内容量 | 750ml |
本数 | 1本 |
味わい | フルボディ |
ブドウ品種 | メルロー 80%、カベルネ・ソーヴィニョン 20% |
ガイドブック | -- |
飲み頃 | -- |
飲み頃温度 | 16℃~18℃ |
推奨保存環境 | 温度=10℃~16℃、湿度=70%~75% |
備考 | においが強いものと一緒にせず、振動は避けるように保管して下さい。 |