戦後に植えられ理想的なヴィエイユ・ヴィーニュとなったピノ・ブラン100%で造るシャンパンが、今日オーブの造り手の間で大きなムーブメントになっていることは、「Dufour」や「Leblond-Lenoir」の説明でご案内した通りですが、ついに「ピノ・ブラン100%のシャンパンのみを造っている」という、男前なRMが見つかりましたのでご紹介します。
当主フレデリック・プティ・カミュザの奥さん、エヴリンさんがオーブの名門タサン家より相続したは畑は、ピノ・ノワール5.5haとピノ・ブラン1.5haでした。しかしながらこの夫婦は、オーブの宝物たる、しかも、樹齢60年以上という多くの栽培家が喉から手が出るほど欲しいピノ・ノワールを、惜しげもなくすべてぶどうでネゴシアンに販売し、ピノ・ブラン100%のシャンパン造り一点に生きる道を選びました。
「理由?ピノ・ブランのシャンパンの味が好きだからだよ(笑)。確かにピノ・ノワールでブラン・ド・ノワールを造った方が経営的にははるかに楽だけど、自分が本当にやりたいと思うことから目をそらして生きていくことはできないよ。ピノ・ブランは、もともとシャルドネよりアロマも果実味も豊かで、正しく造れば、完熟レモンの風味たっぷりの類稀なシャンパンとなる。体はひとつしかないし、ピノ・ブランの可能性に賭けてみたいんだよ」(フレデリック・プティ・カミュザ)。
「みんな最初は、「変わったシャンパンが飲みたいから」とか、「ワイン仲間を驚かせたいから」とか言って買っていくんだけど(笑)、飲んだ人のほとんどがリピートしてくれて、実は生産量が足りないんだよ・・・」。
生産量は年間10000本程度とそれなりにあるのですが、フランスのシャンパン愛好家からの予約注文が殺到しており、日本への年間最大割当本数は840本のみです(・・・)。
オーブの新世代の造り手達が目を輝かせて、口泡を飛ばしながらピノ・ブランについて熱く語るのに接するにつけ、例えば今から10年後、20年後からピノ・ブラン・シャンパンの歴史を振り返ってみる時、私たちはまさしく今、歴史の目撃者としての貴重な体験をしているのでないかとも感じています。
Information | |
---|---|
ピノ・ブラン100%。畑はCelles-sur-Ource村のLes FiolesとEssoyesのEnvers de Fenetreで合計1.5ha。樹齢60~65年の超VV。現在販売中のものは、2008年産が3分の2、2006年産と2007年産のヴァン・ド・レゼルヴが3分の1のブレンド。2年間以上瓶熟成。ドザージュは8g/l。厳格なリュット・レゾネ。マロラクティック発酵を行う。 | |
生産地 | フランス シャンパーニュ地方 ノエ=レ=マレ村 |
商品名 | ブラン・ド・ブラン ブリュット |
作り手 | プティ・カミュザ |
格付・認証 | A.O.C. シャンパーニュ |
生産年 | N/V |
色 | スパークリング・白 |
内容量 | 750ml |
本数 | 1本 |
味わい | 辛口 |
ブドウ品種 | ピノ・ブラン 100% |
ガイドブック | -- |
飲み頃 | 今~ |
飲み頃温度 | 4℃~8℃ |
推奨保存環境 | 温度=10℃~16℃、湿度=70%~75% |
備考 | においが強いものと一緒にせず、振動は避けるように保管して下さい。 |